クラウドサービス利用費とは、事業再構築補助金の補助対象経費の区分のひとつであり、クラウドサービスの利用に関する経費のことです。ここでいうクラウドサービスは、一般的にいうクラウドサービスに加え、プラットフォームのサービス、レンタルサーバー、ウェブサービス等が該当します。

事業再構築補助金の補助対象経費となるクラウドサービス利用費とは

【意味・定義】クラウドサービス利用費とは

クラウドサービスの利用に関する経費

  • ※1 専ら補助事業のために利用するクラウドサービスやWEBプラットフォーム等の利用費であって、自社の他事業と共有する場合は補助対象となりません。
  • ※2 具体的には、サーバーの領域を借りる費用(サーバーの物理的なディスク内のエリアを借入、リースを行う費用)、サーバー上のサービスを利用する費用等が補助対象経費となります。サーバー購入費・サーバー自体のレンタル費等は対象になりません。
  • ※3 サーバーの領域を借りる費用は、見積書、契約書等で確認できるものであって、補助事業実施期間中に要する経費のみとなります。したがって、契約期間が補助事業実施期間を超える場合の補助対象経費は、按分等の方式により算出された当該補助事業実施期間分のみとなります。
  • ※4 クラウドサービス利用に付帯する経費についても補助対象となります(例:ルータ使用料・プロバイダ契約料・通信料等)。ただし、あくまでも補助事業に必要な最低限の経費が対象です。 また、パソコン・タブレット端末・スマートフォンなどの本体費用は補助対象となりません。

クラウドサービスの対象は広い

ここでいうクラウドサービスは、各注釈にもあるとおり、非常に広い範囲となっています。

具体的には、各種プラットフォームサービス、サーバー上のサービス(おそらくウェブサービスを意味するものと思われます)等が該当します。

また、※2に記載のとおり、「サーバーの領域を借りる費用」、つまり、いわゆるホスティングサーバー型のレンタルサーバーの費用やオンラインストレージサービスが該当するものと思われます。
(ただし、この点について弊所にて事務局に確認したところ(2021年6月17日12:00現在)、公募要領記載のとおりとのことで、明確な回答は得られませんでした)

他方で、ハードとしてのサーバーの購入費やレンタル料は、対象外となります。これらは、機械装置・システム構築費として検討するべきでしょう。

クラウドサービス利用費は補助事業「専用」のものに限る

クラウドサービス利用費は、※1であるとおり、「専ら補助事業のために利用する」ことが前提となります。このため、「自社の他事業と共有する場合は補助対象となりません。」

この点から、いわゆる「基幹システム」「顧客管理システム」のような使い方をするクラウドサービスや、チャットツールや汎用的なストレージサービスなど、全事業で共通で使うことに意味があるクラウドサービスの導入費用としては、このクラウドサービス利用費を使うべきではないでしょう。

あくまで、このクラウドサービス利用費で導入するクラウドサービスは、新規事業に限定した形のプロダクト寄りの活用にとどめるべきでしょう。

見積書・契約書等の書類を取得する

※3にもあるとおり、「サーバーの領域を借りる費用」については、「見積書、契約書等で確認できるもの」である必要があります。このため、クラウドサービス利用費として補助対象経費に計上する場合は、こうした見積書・契約書を取得するようにします。

また、「サーバーの領域を借りる費用」に限らず、補助対象経費を支出する発注先(契約相手)の選定の際には、可能な範囲において相見積もりを取得する必要があります。また、その相見積りの結果、最低価格を提示した発注先(契約相手)を選定する必要があります。

なお、相見積りをおこなわない、または最低価格を提示していない発注者(契約相手)を選定することもできますが、その場合は、その理由と価格の妥当性を示す書類を整備する必要があります。この際、市場価格と乖離した価格の場合は、対象経費と認められない可能性もあります。

このため、他のクラウドサービスであっても、見積書を取得するようにしてください。

出典

採択後、交付申請手続きの際には、本事業における契約(発注)先(海外企業からの調達を行う場合も含む)の選定にあたって、経済性の観点から、可能な範囲において相見積りを取り、相見積りの中で最低価格を提示した者を選定(一般の競争等)してください。また、単価50万円(税抜き)以上の物件等については原則として同一条件による相見積りを取ることが必要です。相見積りを取っていない場合又は最低価格を提示した者を選定していない場合には、その選定理由を明らかにした理由書と価格の妥当性を示す書類を整備してください。
市場価格とかい離している場合は認められません。

クラウドサービス利用費の具体例

クラウドサービス利用費の具体例
  • 製造業の事業者が新分野展開・事業転換・業種転換・業態転換として新製品を製造する際に、オンライン生産管理システムのクラウドサービスを導入する場合のクラウドサービス利用費。
  • 非製造業の事業者が事業転換・業種転換として製造業に新規参入する際に、新製品のオンライン生産管理システムのクラウドサービスを導入する場合のクラウドサービス利用費。
  • 宿泊業の事業者が新分野展開としてオートキャンプ場施設を経営する際に、オンライン予約管理・オンライン顧客管理システムのウェブサービスを導入する場合のクラウドサービス利用費。
  • 衣服品販売店の事業者が事業転換として健康・美容品販売店の経営する際に、オンライン決済システムを導入する場合のクラウドサービス利用費。。
  • 農業機械のリースの事業者が業種転換として通信教育ビジネスに新規参入する際に、当該通信教育を配信する動画配信サービスを導入する場合のクラウドサービス利用費。
  • 運送業の事業者が業種転換として飲食店を開業する際に、オンライン決済システムを導入する場合のクラウドサービス利用費。
  • 宿泊業の事業者が業態転換としてコワーキングスペースの運営をする際に、オンライン予約管理・オンライン顧客管理システムを導入する場合のクラウドサービス利用費。
  • アパレルショップの事業者が業態転換としてECサイトによるネット販売を開始する際に、プラットフォーム型のオンラインショッピングモールを導入する場合のクラウドサービス利用費。
  • レストラン経営の事業者が業態転換としてテイクアウト販売をする際に、オンライン受注システムを導入する場合のクラウドサービス利用費。
  • イベント運営の事業者が業態転換としてライブ・展示会等のバーチャルサービスを提供をする際に、当該バーチャルサービスのシステムをアップロードするレンタルサーバーを導入する場合のクラウドサービス利用費。
  • 美容室の事業者が業態転換として訪問美容サービスを提供する際に、オンライン予約管理・オンライン顧客管理システムを導入する場合のクラウドサービス利用費。
  • 弁当屋の事業者が新分野展開として施設給食業に新規参入する際に、オンライン受注システム・オンライン顧客管理システムを導入する場合のクラウドサービス利用費。
  • 食料品製造の事業者が業種転換として化粧品販売事業に新規参入する際に、オンライン販売管理システムを導入する場合のクラウドサービス利用費。
  • 芸能プロダクションの事業者が、業種転換として、オンライン演劇に新規参入する際に、当該オンライン演劇のシステムをアップロードするレンタルサーバーを導入する場合のクラウドサービス利用費。

なお、それぞれの事業再構築の概要につきましては、以下のページをご覧ください。