事業再編とは、業再構築補助金における通常枠の事業再構築のひとつで、通常枠の他の4つの事業再構築(新分野展開・事業転換・業種転換・業態転換)に加えて、組織再編行為等をおこなう事業再構築のことです。事業再編は、組織再編を必要とする場合に活用できる事業再構築ですが、取組むべき内容としては、他の事業再構築と同様です。

事業再編は組織再編が伴うの事業再構築

事業再編は、組織再編行為と並行して事業再構築をおこなうものです。ここでいう事業再構築は、通常枠の他の4つの事業再構築(新分野展開・事業転換・業種転換・業態転換)のいずれかです。

これらの通常枠の事業再編は、特に組織再編行為を必要としていません。このため、特に組織再編を予定してない事業者は、無理に事業再編による事業再構築をする必要はありません。

なお、ここでいう組織再編行為は、次のものをいいます。

【意味・定義】組織再編行為とは

組織再編行為とは、会社法上の組織再編行為であって、次のものをいう。

  • 吸収合併
  • 新設合併
  • 会社分割(吸収分割)
  • 会社分割(新設分割)
  • 株式交換
  • 株式移転
  • 事業譲渡

事業再編の概要

事業再編の概要
定義 事業再編とは、会社法上の組織再編行為(合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡)等を行い、新たな事業形態のもとに、新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換のいずれかを行うことをいう。
概要 新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す中小企業等の新たな挑戦を支援。
補助対象事業者 中小企業者等中堅企業等
要件
  1. 組織再編要件
  2. その他の事業再構築要件
    (以下の事業再構築のうちのひとつを満たすこと)

※ これらの要件に加えて、その他の通常枠の事業再構築に求められる要件を別途満たす必要があります。

補助金額 中小企業者等・中堅企業等共通
【従業員数20人以下】100万円~4,000万円
【従業員数21~50人】100万円~6,000万円
【従業員数51人以上】100万円~8,000万円
補助率 中小企業者等:2/3(6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等:1/2(4,000万円を超える部分は1/3)
補助事業実施期間 交付決定日~12か月以内(ただし、採択発表日から 14 か月後の日まで)
補助対象経費 建物費機械装置・システム構築費(リース料を含む)技術導入費専門家経費運搬費クラウドサービス利用費外注費知的財産権等関連経費広告宣伝・販売促進費研修費
補助金返還の制度 公募要領では、特に補助金返還の制度について記載はありません。ただし、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に違反した場合は、返還を求められる可能性があります。
※この他、不採択、交付取消、財産処分の場合の返還、収益納付等が発生する可能性もあります。

事業再編の要件

【要件1】組織再編要件

組織再編要件
組織再編行為等を行うものであること。

【要件2】その他の事業再構築要件

その他の事業再構築要件
新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換のいずれかを行うものであること。

※ 当然ながら、上記の事業再構築に求められる要件を別途満たす必要があります。

事業再編の特徴

【特徴1】事業再編は組織再編が伴う新分野展開・事業転換・業種転換・業態転換

事業再編は、他の4つの通常枠の事業再構築(新分野展開事業転換業種転換・業態転換(製造業サービス業)に加えて、組織再編行為等をおこなう(組織再編要件)事業再構築のことです。

組織再編とは?

【意味・定義】組織再編行為等とは

組織再編行為等とは、会社法上の組織再編行為であって、次のものをいう。

  • 吸収合併
  • 新設合併
  • 会社分割(吸収分割)
  • 会社分割(新設分割)
  • 株式交換
  • 株式移転
  • 事業譲渡

これらの通常枠の4つの事業再構築は、いずれにしてもどれかに取組む必要があります。このため、特に組織再編の必要がないのであれば、無理に事業再編による事業再構築に取組む必要はありません。

【特徴2】事業再編は手続きが煩雑となる

事業再編は、通常の4つの事業再構築と併せて、組織再編行為等をおこなう必要があります。

組織再編行為等は、いずれの場合であっても、手続きが非常に複雑となります。また、申請の手続きにしても、実際の事業再構築や補助事業の実施にしても、通常の事業再構築よりも対応が複雑となります。

この点から、どうしても組織再編行為をおこなう必要がある場合に限り、申請を検討するべきでしょう。

【特徴3】事業再編は規模が大きい中小企業者等・中堅企業等または会社化する個人事業者向け

また、こうした複雑な手続きや事業再構築・補助事業の実施のコストを吸収するためには、ある程度、補助事業の規模が大きい必要があります。その意味では、事業再編は、規模が大きな中小企業者等や、中堅企業等向けの事業再構築であるといえます。

例外としては、個人事業者の会社化(いわゆる法人化・法人成り)の場合で、シンプルな会社組織とする場合も該当するでしょう。この場合は、新設会社に対し、個人事業者の事業を譲渡する形になります。

ポイント
  • 事業再編は、通常の4つの事業再構築に加えて、組織再編行為等が伴う事業再構築。
  • 事業再編は、複雑な手続きとなる。
  • 事業再編は、コストを吸収できる大規模な補助事業をおこなう、規模が大きな中小企業者等や中堅企業等向けの事業再構築。
  • 事業再編は、個人事業者が法人化する際にも利用できる。