事業再構築補助金の採択結果(第1回公募分)が、6月16日(緊急事態宣言特別枠のもの)と6月18日(通常枠)に、それぞれ公表されました。以下、これらの採択結果について、中小企業庁から公表された資料とこれにもとづく計算の一覧を表示します。

応募件数・申請件数・採択件数の結果

件数(単位:者数) 中小企業等 中堅企業等 合計
通常枠 特別枠 卒業枠 通常枠 特別枠 V字回復枠
①応募件数 16,897 5,167 80 71 14 2 22,231
②申請件数 14,783 4,315 69 60 11 1 19,239
③採択件数 5,092 2,859 45 12 7 1 8,016

要件欠格件数・不採用件数

上記の結果から、要件欠格件数、不採用件数は、次のとおりです。

件数(単位:者数) 中小企業等 中堅企業等 合計
通常枠 特別枠 卒業枠 通常枠 特別枠 V字回復枠
①応募件数 16,897 5,167 80 71 14 2 22,231
④要件欠格件数
(①-②)
2,114 852 11 11 3 1 2,992
⑤不採択件数
(②-③)
9,691 1,456 24 48 4 0 11,223

要件充足率・要件欠格率

要件充足率(要件欠格率)は、次のとおりです。

割合 中小企業等 中堅企業等 合計
通常枠 特別枠 卒業枠 通常枠 特別枠 V字回復枠
要件充足率 87.49% 83.51% 86.25% 84.51% 78.57% 50.00% 86.54%
要件欠格率 12.51% 16.49% 13.75% 15.49% 21.43% 50.00% 13.46%

採択率

採択率は、次のとおりです。

割合 中小企業等 中堅企業等 合計
通常枠 特別枠 卒業枠 通常枠 特別枠 V字回復枠
採択率
応募件数ベース
30.14% 55.33% 56.25% 16.90% 50.00% 50.00% 36.06%
採択率
申請件数ベース
34.44% 66.26% 65.22% 20.00% 63.64% 100.00% 41.67%

不採択率(+要件欠格率)

不採択率は、次のとおりです。

割合 中小企業等 中堅企業等 合計
通常枠 特別枠 卒業枠 通常枠 特別枠 V字回復枠
不採択率
応募件数ベース
57.35% 28.18% 30.00% 67.61% 28.57% 0.00% 50.48%
不採択率
申請件数ベース
65.56% 33.74% 34.78% 80.00% 36.36% 0.00% 58.33%
要件欠格率+
不採択率
応募件数ベース
69.86% 44.67% 43.75% 83.10% 50.00% 50.00% 63.94%

業種別の応募と採択割合

事業再構築に取り組む事業者の業種別割合については、次のとおりです。

応募件数ベース・採択件数ベースとも、製造業が最も多く、次いで宿泊業・飲食サービス業、卸売・小売業の順に割合が多い結果となっています。

なお、後述の事業計画を分析すると、通常枠では製造業が最も多いと推測されますが、緊急事態宣言では必ずしもそうとは言えない可能性があります。

種類別事業者(会社・各種法人・個人事業者等)の件数

採択結果の通常枠、緊急事態宣言特別枠の「全国統合版のデータ」から推測される、事業者の組織形態の者数・割合は、次のとおりです(いずれも推定値)。

通常枠 緊急事態宣言特別枠
株式会社 4,078(80.09%) 1,801(62.99%)
有限会社 683(13.41%) 329(11.51%)
合同会社 70(1.37%) 105(3.67%)
合資会社 14(0.27%%) 4(0.14%)
合名会社 1(0.02%) 1(0.03%)
(会社合計) 4,846(95.17%) 2,240(78.35%)
その他法人 19(0.37%) 17(0.59%)
組合等 6(0.12%) 2(0.07%)
その他
(個人事業者を含む)
221(4.34%) 600(20.99%)
合計 5,092(100%) 2,859(100%)
単位:者数(割合)

応募金額・採択金額の分布

応募金額と採択金額の分布は、以下のとおりです。

応募金額と採択金額の分布には大きな違いがないことから、金額によって採択率が変わっていることはないと考えられます。また、応募金額・採択金額に偏りがなく、補助対象事業の規模も偏りがないことが伺えます。

応募金額の分布

応募金額の分布は、以下のとおりです。

中小企業者等の通常枠の上限である6,000万円が最も多い金額となっています。これは、採択件数のほぼすべてが中小企業者等であり、中堅企業等からの応募がほとんど無かったことが原因と思われます。

採択金額の合計は2,200億円・1件あたりの平均金額は約2,744万円

日刊工業新聞社の報道によると、第1回の採択金額の合計は、2,200億円とのことです。採択件数の合計は8,016件ですので、1件あたりの採択金額の平均は、約2,744万円となります。

事業計画の単語出現数・出現率

採択結果の通常枠、緊急事態宣言特別枠の「事業計画書の概要」の「事業計画」の列に記載された単語について、テキストマイニングのツールを使って分析してみました。

これらの単語のうち、事業計画に関連するものであって、出現率が高いものは、次のとおりです。
(使用するツールや辞書によって計算結果が異なりますので、出現率については参考程度にとどめてください)

通常枠 緊急事態宣言特別枠
事業 3,849(2.44%) 事業 1,879(2.27%)
製造 1,996(1.26%) コロナ 1,123(1.36%)
コロナ 1,894(1.2%) 販売 1,002(1.21%)
当社 1,419(0.9%) 新た 678(0.82%)
新た 1,323(0.84%) 売上 616(0.75%)
構築 1,252(0.79%) 提供 595(0.72%)
販売 1,247(0.79%) 構築 563(0.68%)
開発 1,053(0.67%) 553(0.67%)
加工 1,051(0.67%) 製造 515(0.62%)
展開 1,034(0.65%) 影響 486(0.59%)
1,023(0.65%) 当社 483(0.58%)
971(0.61%) 展開 477(0.58%)
売上 936(0.59%) 店舗 476(0.58%)
導入 933(0.59%) サービス 449(0.54%)
影響 930(0.59%) 開発 445(0.54%)
図る 912(0.58%) 商品 433(0.52%)
技術 900(0.57%) 図る 390(0.47%)
単位:出現件数(出現率)
こちらの結果につきましては、後日分析してみたいと思います。