外注費とは、事業再構築補助金の補助対象経費の区分のひとつであり、補助事業遂行のために必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費のことです。外注費は、第三者に対する業務委託全般が対象となりますが、あくまで、機械装置・システム構築費に該当しないものに限ります。また、技術導入費、専門家経費、外注費は、同一の支出先に対して、併せて支出できません。

事業再構築補助金の補助対象経費となる外注費とは

【意味・定義】外注費とは

本事業遂行のために必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費

  • ※1 外注先が機械装置等の設備やシステム等を購入する費用は対象になりません。
  • ※2 外注先との書面による契約の締結が必要です。
  • ※3 機械装置等の製作を外注する場合は、「機械装置・システム構築費」に計上してください。
  • ※4 外注先に、技術導入費、専門家経費を併せて支払うことはできません。
  • ※5 外部に販売するための量産品の加工を外注する費用は対象になりません。

外注先に対する業務委託全般が対象

「機械装置・システム構築費」以外の業務が対象

外注費は、外注先に対する業務委託の報酬・対価が対象となります。ただし、機械装置やシステムの製作を外注する場合は、機械装置・システム構築費として計上することとなります。

また、技術導入費専門家経費と外注費は、同一の事業者に対しては、併せて支出できません。

このため、何らかの業務を第三者に委託する際には、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、外注費のうち、最も適切なものを選択して、補助対象経費として計上する必要があります。

外注費は書面の契約書が必須

外注費として補助対象経費を計上する場合は、書面の契約書が必須となります(もっとも、他の経費区分であっても、契約書を取り交わすことが望ましいです)。

この際、契約内容が下請法の下請取引に該当する場合、申請者が下請法上の「親事業者」に該当する可能性もあります。

この場合は、外注先に対して、いわゆる「三条書面」を交付する義務があります。このため、外注先と取り交わす契約書は、この「三条書面」の基準を満たしたものとします。

法令違反は、補助金等適正化法第17条第1項に該当し、補助金等の交付決定の取消事由となりますので、下請取引に該当する契約書の作成には、十分に留意してください。

補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第17条(決定の取消)

1 各省各庁の長は、補助事業者等が、補助金等の他の用途への使用をし、その他補助事業等に関して補助金等の交付の決定の内容又はこれに附した条件その他法令又はこれに基く各省各庁の長の処分に違反したときは、補助金等の交付の決定の全部又は一部を取り消すことができる。

2 各省各庁の長は、間接補助事業者等が、間接補助金等の他の用途への使用をし、その他間接補助事業等に関して法令に違反したときは、補助事業者等に対し、当該間接補助金等に係る補助金等の交付の決定の全部又は一部を取り消すことができる。/p>

3 前2項の規定は、補助事業等について交付すべき補助金等の額の確定があつた後においても適用があるものとする。

金額が大きな外注費の見積もりはなるべく事前に取得する

補助事業実施期間中にすべての手続を完了させなければならない

なお、補助対象経費の見積書は、事業再構築補助金の申請の際には添付する必要はありません。このため、見積もりは、必ずしも事前に取得する必要はありません。しかしながら、見積もりは、なるべく事前に取得しておくべきです。

というのも、次の通り、補助対象経費の支払いを含め、すべての手続きを補助事業実施期間に完了しなければなりません。

・以下の補助事業実施期間に、契約(発注)、納入、検収、支払及び補助事業実績報告書の提出等のすべての事業の手続きが完了することが必要となります。
➢ 通常枠、緊急事態宣言特別枠
→交付決定日から12か月以内(ただし、採択発表日から14か月後の日まで)。
➢ 卒業枠、グローバルV字回復枠
→交付決定日から14か月以内(ただし、採択発表日から16か月後の日まで)。

外注費の中でも、金額が大きい取引きの場合は、それ相応の時間がかかることも考えられますし、場合によっては納期が伸びることもあります。

このため、補助事業実施期間中に納入・検査・支払いを完了させることを考えると、時間に余裕を持たせるべきです。

その意味で、見積もり・相見積もりはなるべく事前に取得しておき、交付決定があってから、すぐに発注できるようにしておきましょう。

交付決定後の見積もりでは金額が読めない

また、交付決定後に外注先に見積もりの提示を依頼した場合、事業計画で策定した価格を上回る価格が提示される可能性もあります。

一般的な補助金の制度では、補助経費の金額は、原則として事業計画で策定した金額の範囲内でなければなりません。

制度によっては、補助金額を変更できることもありますが、その場合も、通常は事前に承認を得なければなりません。

このため、想定外の金額が提示されないように、申請の前の時点で、見積もり・相見積りを取得しておくべきです。