広告宣伝・販売促進費とは、補助事業で開発または提供する製品・サービスに係る広告(パンフレット、動画、写真等)の作成および媒体掲載、展示会出展(海外展示会を含む)、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用等にかかる経費のことです。あくまで補助事業そのものに関する経費であって、補助事業以外の既存の製品・サービス等に関する経費等は、原則として対象外です。

事業再構築補助金の補助対象経費となる広告宣伝・販売促進費とは

【意味・定義】広告宣伝・販売促進費とは

本事業で開発又は提供する製品・サービスに係る広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展(海外展示会を含む)、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用等に係る経費

  • ※1 補助事業以外の自社の製品・サービス等の広告や会社全体のPR広告に関する経費は対象外です。
  • ※2 補助事業期間内に広告が使用・掲載されること、展示会が開催されることが必要です。

広告宣伝・販売促進費は集客全般の外注経費

広告宣伝・販売促進費の分類

広告宣伝・販売促進費は、集客に関連する外注全般の経費です。具体的には、次のように分類されます。

広告宣伝・販売促進費の分類

広告宣伝・販売促進費の分類は以下のとおり。

  • 広告素材(パンフレット、動画、写真等)の作成経費
  • 当該広告素材の媒体掲載の掲載経費
  • 展示会(海外展示会を含む)の出展経費
  • セミナー開催にかかる経費
  • 市場調査の調査経費
  • 営業代行事業者(代理店・販売店等)の利用経費(手数料等)
  • マーケティングツール活用にかかる経費

ホームページ・ウェブサイトの制作費用も補助対象

なお、公募要領に明記されていませんが、ホームページ・ウェブサイトの制作費用についても、専ら補助対象事業で開発・提供する製品・サービスの広告にかかるものであれば、この広告宣伝・販売促進費該当するとのことです(事務局に確認済み。2021年6月17日12:00現在)。

他方で、既存製品・既存サービスの広告にかかるホームページ・ウェブサイトの制作費用は、補助対象経費とはなりません。

また、「専ら」とあるとおり、新規製品・新規サービスの広告と既存製品・既存サービスの広告の両者を兼ねたホームページ・ウェブサイトの制作費用も、補助対象経費とはなりません。

広告宣伝・販売促進費はあくまで補助事業に関するもののみが対象

※2にもあるとおり、広告宣伝・販売促進費は、「補助事業以外の自社の製品・サービス等の広告や会社全体のPR広告に関する経費は対象外」となります。

このため、原則として、既存製品・既存サービスの宣伝広告・販売促進を目的として広告宣伝・販売促進費を計上することはできません。

ただし、サービス業等の非製造業の業態転換として、既存サービスの提供方法を変更し、設備・店舗の撤去・縮小をする場合は、当該既存サービスの宣伝広告・販売促進費として計上できます。

売上・付加価値に関する要件を達成できるよう計上する

いずれの事業再構築も一定の売上を確保する必要がある

事業再構築補助金の申請にあたり、いずれの事業再構築であっても、付加価値額要件が求められます。

付加価値額要件・付加価値とは?
【意味・定義】付加価値額要件とは

付加価値額要件とは、事業再構築補助金の要件のひとつで、補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%もしくは5.0%以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%もしくは5.0%以上増加する見込みの事業計画を策定する要件のこと。

【意味・定義】付加価値額とは

付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものをいいます。

また、いずれの事業再構築であっても、売上高10%要件または売上高構成比要件を求められます。

売上高10%要件・売上高構成比要件とは?
【意味・定義】売上高10%要件とは
  • 【業態転換以外の場合】事業計画期間終了後、新たに製造する製品又は新たに提供する商品若しくはサービスの売上高が、総売上高の十分の一以上を占めることが見込まれるものであること。
  • 【業態転換の場合】事業計画期間終了後、新たな製品の製造方法又は商品若しくはサービスの提供方法による売上高が、総売上高の十分の一以上を占めることが見込まれるものであること。

【意味・定義】売上高構成比要件とは

事業計画期間終了後、新たに製造する製品又は新たに提供する商品若しくはサービスを含む事業が、売上高構成比の最も高い事業となることが見込まれるものであること。


※ なお、売上高構成比要件が求められる場合は、売上高10%要件は求められません。

以上の点から、一定の売上高の達成が見込まれる事業計画を策定する必要があります。

そこで、この広告宣伝・販売促進費の使い方がポイントとなります。

なるべく補助事業期間内に投資できる計画を策定する

広告宣伝・販売促進費は、※2でもあるとおり、「補助事業期間内に広告が使用・掲載されること、展示会が開催されることが必要」となります。つまり、広告宣伝・販売促進費は、初期の補助事業期間内に支出する分しか補助対象経費として計上できません。

補助事業実施期間とは?

・以下の補助事業実施期間に、契約(発注)、納入、検収、支払及び補助事業実績報告書の提出等のすべての事業の手続きが完了することが必要となります。
➢ 通常枠、緊急事態宣言特別枠
→交付決定日から12か月以内(ただし、採択発表日から14か月後の日まで)。
➢ 卒業枠、グローバルV字回復枠
→交付決定日から14か月以内(ただし、採択発表日から16か月後の日まで)。

他方で、付加価値額要件、売上高10%要件、売上高構成比要件は、いずれも「補助事業終了後3~5年」で判定されます。このため、後者の付加価値額要件、売上高10%要件、売上高構成比要件を達成するために、広告宣伝・販売促進費を直接使用することはできません。

よって、初期の補助事業期間中に、後につながる形で広告宣伝・販売促進費を支出ができるかどうかが重要となります。

先行投資となる広告宣伝・販売促進費の計上を策定する

以上の点から、初期の補助事業期間中は、短期的な売上高を追求するのではなく、中長期での売上高の確保を目的として、先行投資となる効果的な広告宣伝・販売促進費を計上する必要があります。具体的には、次のような計上のしかたが考えられます。

効果的な広告宣伝・販売促進費の使い方
  • 広告素材(パンフレット、動画、写真等)を活用した製品・商品の周知を目的とした媒体掲載への掲載
  • 主に見込み客の獲得を目的とした展示会・セミナーの開催
  • 営業代行事業者(代理店・販売店等)等を活用した販売網の構築